昭和36年度東京大学受験生向けの大学案内(競争率など)
昭和36年度の東京大学受験生向けの赤本(教学社)に載っていた『大学案内』p 12, 13の『競争率』などを載せてみる。
ただし、ブログ記事であるので、入力方法を変更したところがある。
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入力が面倒なので、~で省略したところがある。「文科人類学」はそのまま入力した。「閥を形ちづくっている」はそのまま入力した。「民法・商法・刊法などの司法法」はそのまま入力した。1958年度(昭和33年度)の東京大学医学部衛生看護学科で志願者数:67名よりも、第二次試験受験者数:158名の方が多くなっているが、そのまま入力した。
東京大学法学部は必修単位の取得が大変なところである。
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「外資就活」のHPの「東京大学法学部-スーパーエリートたちの就職先」(2018年1月22日)
以下、このブログ記事では、この現象が昔からあったと仮定する。
東京大学法学部は外交官や官僚になる人もいるので、そういう人に対応できるように旧司法試験以外のこともいろいろと教えていて、それらもできるようになる必要がありきつかったのだろう。
東京都内に住んでいる高校生の場合、旧司法試験に合格しさえすればそれで満足するのであれば、東京大学法学部より、早稲田大学法学部・中央大学法学部・日本大学法学部などに進学した方がよかったかもしれない。
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法科大学院ができる前は、早稲田大学・中央大学・日本大学が、大学による旧司法試験対策が効果を挙げているところとして、有名だった。
早稲田大学法職課程:大量に人を集めて、授業をやってそこから選抜していく、スーパーマーケット方式。
中央大学真法会:できる学生を選抜して、伝聞であるが、学部の授業なんて受けなくていいからOBが受からせてやるって会。専門店方式。
旧司法試験対策の予備校に対策を丸投げの大学:成果なし。
日本大学:短答を受かった人はどの大学でもいいから日本大学の勉強室で勉強できる。
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『北大法学部同窓会報 第36号』(北海道大学法学部同窓会。2020年7月27日)
北海道大学の法学部同窓会報はインターネットで公開されている。
北海道大学大学院法学研究科教授(全国で法科大学院ができる予定のころの地位)の発言。
北大法学部が、早稲田大学・中央大学・日本大学のやり方を取り入れて、旧司法試験の合格実績を上げていったという文脈である。
Aさん, Bさんはそれぞれ実名の苗字が書かれていたが、ぼかした。
ただし、ブログ記事であるので、入力方法を変更したところがある。
≪大学案内≫
~ス, ④ドイツの各研究科と, ⑤国際関係論, ⑥文科人類学・人文地理学, ⑦科学史・科学哲学の7分科に分かれて, 各国の政治・経済・社会・歴史・文学・思想などを総合的に学ぶことになっている。少ない学生に多くの教授が, ゼミナール形式で個人教授にも等しく教えているのは他学部の学生の羨望の的である。ここへは各科類から進めるのが特色。
さらに明36年度から, 理科学生を対象とした基礎科学科の新設が計画されている。産業技術が発達し, 高度に分化したため, 基礎部門の総合教育が十分行なわれていない現状を打破するため, 均衡のとれた広い基礎素養をもった創造性, 適応性のある技術者・研究者を養成することを目的とする。したがって, 基礎的自然科学を中心に, 人文科学, 社会科学・外国語を含めた総合教育が行なわれる予定。
法学部は官僚への典型的コースといわれ, 「末は内閣総理大臣か, 社長か」と出世の早道とされた法学部は古くから充実した教授陣容を誇り, 多くの先輩は官界・実業界・政界に重要な地位を占め, 閥を形ちづくっている。現在, 法学部は①民法・商法・刊法などの司法法に重点がおかれ, 裁判官や弁護士になるのに適した第1類(私法コース) ②憲法・行政法・国際法などを主とし, 行政官や外交官になるのに適した第2類(公法コース)a 政治および経済に関する科目に重点をおく第3類(政治コース)の3つに分かれる。最後の第3類は政治家・ジャーナリスト・実業家に適するコースといえよう。
この法学部から大正8年に独立した経済学部は, 同じ経済学の中でも実務的な傾向をもつ一橋大とは対称的で, 純理論ないし社会および経済史の方面に主力がおかれているのが特色。経済学科と商業学科に分かれる。
戦後に出来た教育学部は, 教育学を専攻する研究者, 教育指導者の養成を目的とするもので, いわゆる教員養成学部ではない。教育・教育心理・学校教育・教育行政・体育学健康教育の5学科がある。
時代の脚光を浴びてきた理学部は, 数学・物理学・化学・地学・生物学の5学科をもち, その各々はさらに細かく専攻コースに分かれているが, いずれも基礎科学の牙城であることは周知の通りであり, もっともアカデミックな, 地味な学部といえよう。
工学部は明治初年以来の長い歴史と伝統をもち, 土木・建築・機械・精密・船舶・電気・電子工学・応用物理・航空・鉱山・冶金・応用化学・合成化学・化学工学の14学科があり, 講座数も90をこえるわが国最大の工学部である。
農学部は農学・農芸化学・林学・林産学・水産学・農業経済学・農業工学・畜産学・獣医学の9学科からなり, 北大とともにわが国の農学界を2分しているといわれる学部である。
医学部は安政5年の種痘館以来の古い伝統をもち, 俊英の教授・助教授陣あるいは付属医院はともにわが国の最高水準をいくものである。衛生看護学科は看護婦や保健婦の指導的地位にたつ婦人の育成を目的とし, 全国唯一の存在であり, 今後が期待される。
薬学部は33年に設置された学部ではあるが, 医学部薬学科として明治6年以来学部の一翼をになってきているだけに, 決して, かけだしの学部ではない。
競争率
競争率は例年5倍前後ではあるが, 相当に自信をもった俊英ぞろいであるから, 全国大学中の最難関であることは論をまたない。
○ 35年度
・文科一類
志願者数:3669名
一次試験受験者数:3574名
一次試験合格者数:3230名
二次試験受験者数:3174名
募集人員:800名
合格者数:804名
競争率:4.4倍
・文科二類
志願者数:1823名
一次試験受験者数:1759名
一次試験合格者数:1469名
二次試験受験者数:1436名
募集人員:360名
合格者数:362名
競争率:4.9倍
・理科一類
志願者数:2370名
一次試験受験者数:2264名
一次試験合格者数:2233名
二次試験受験者数:2176名
募集人員:621名
合格者数:628名
競争率:3.6倍
・理科二類
志願者数:1965名
一次試験受験者数:1897名
一次試験合格者数:1632名
二次試験受験者数:1617名
募集人員:400名
合格者数:402名
競争率:4.7倍
・衛生看護学科
志願者数:97名
一次試験受験者数:*ー
一次試験合格者数:*ー
二次試験受験者数:94名
募集人員:40名
合格者数:32名
競争率:2.9倍
*第一次試験を実施せず
○ 34年度
・文科一類
志願者数:4109名
一次試験受験者数:4031名
一次試験合格者数:3245名
二次試験受験者数:3181名
募集人員:800名
合格者数:801名
競争率:5.0倍
・文科二類
志願者数:1799名
一次試験受験者数:1744名
一次試験合格者数:1450名
二次試験受験者数:1409名
募集人員:360名
合格者数:360名
競争率:4.9倍
・理科一類
志願者数:2707名
一次試験受験者数:2649名
一次試験合格者数:1937名
二次試験受験者数:1927名
募集人員:555名
合格者数:552名
競争率:4.8倍
・理科二類
志願者数:2170名
一次試験受験者数:2090名
一次試験合格者数:1644名
二次試験受験者数:1622名
募集人員:400名
合格者数:402名
競争率:5.2倍
・衛生看護学科
志願者数:171名
一次試験受験者数:117名
一次試験合格者数:117名
二次試験受験者数:115名
募集人員:40名
合格者数:32名
競争率:3.7倍
○ 33年度
・文科一類
志願者数:4523名
一次試験受験者数:4417名
一次試験合格者数:3200名
二次試験受験者数:3149名
募集人員:800名
合格者数:806名
競争率:5.5倍
・文科二類
志願者数:1953名
一次試験受験者数:1896名
一次試験合格者数:1480名
二次試験受験者数:1449名
募集人員:360名
合格者数:360名
競争率:5.3倍
・理科一類
志願者数:3156名
一次試験受験者数:3080名
一次試験合格者数:1871名
二次試験受験者数:1856名
募集人員:440名
合格者数:468名
競争率:6.6倍
・理科二類
志願者数:2267名
一次試験受験者数:2191名
一次試験合格者数:1642名
二次試験受験者数:1622名
募集人員:400名
合格者数:402名
競争率:5.5倍
・衛生看護学科
志願者数:67名
一次試験受験者数:*ー
一次試験合格者数:*ー
二次試験受験者数:158名
募集人員:40名
合格者数:39名
競争率:4.1倍
*第一次試験を実施せず
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入力が面倒なので、~で省略したところがある。「文科人類学」はそのまま入力した。「閥を形ちづくっている」はそのまま入力した。「民法・商法・刊法などの司法法」はそのまま入力した。1958年度(昭和33年度)の東京大学医学部衛生看護学科で志願者数:67名よりも、第二次試験受験者数:158名の方が多くなっているが、そのまま入力した。
東京大学法学部は必修単位の取得が大変なところである。
法学部の授業は、必修単位の取得が大変なため、気が緩むと一気に留年フラグが立ってしまいます。その大変さは、1つの授業の試験対策プリントが300ページ弱に達したなどというエピソードから窺い知ることが出来るでしょう。
卒業アルバムを見たら、「あれ、オレのクラスの法学部のやつこんな人数少なかったっけ?」ということも珍しくありません。同学年で二度留年したら基本アウトなので、ひっそりと退学していく人も毎年数名いると聞きます。
従って法学部生の平均年齢は結構高いです。
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「外資就活」のHPの「東京大学法学部-スーパーエリートたちの就職先」(2018年1月22日)
以下、このブログ記事では、この現象が昔からあったと仮定する。
東京大学法学部は外交官や官僚になる人もいるので、そういう人に対応できるように旧司法試験以外のこともいろいろと教えていて、それらもできるようになる必要がありきつかったのだろう。
東京都内に住んでいる高校生の場合、旧司法試験に合格しさえすればそれで満足するのであれば、東京大学法学部より、早稲田大学法学部・中央大学法学部・日本大学法学部などに進学した方がよかったかもしれない。
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法科大学院ができる前は、早稲田大学・中央大学・日本大学が、大学による旧司法試験対策が効果を挙げているところとして、有名だった。
早稲田大学法職課程:大量に人を集めて、授業をやってそこから選抜していく、スーパーマーケット方式。
中央大学真法会:できる学生を選抜して、伝聞であるが、学部の授業なんて受けなくていいからOBが受からせてやるって会。専門店方式。
旧司法試験対策の予備校に対策を丸投げの大学:成果なし。
日本大学:短答を受かった人はどの大学でもいいから日本大学の勉強室で勉強できる。
「それで、その時に、闇雲に始めても仕方ないから他の大学の司法試験などの受験指導を調査したんです。そしたら、典型的なやり方が、早稲田の法職課程と中央の真法会で、真法会っていうのは専門店方式なんですよ。できる学生を選抜して、伝聞なんですが、学部の授業なんて受けなくていいからOBが受からせてやるって会だったんです。早稲田の方は、大量に人を集めて、授業をやってそこから選抜していく、スーパーマーケット方式。その二つがあって、その他に、予備校に丸投げの大学もあったんだけど、そこは成果が上がってなくて。面白いと思ったのが日大で、そこでは、短答受かった人はどの大学の出身者でもいいから、日大の勉強室で勉強してくれってしていたんだです。それらを参考にしました。
北大には、北法会という受験サークルがあり、当時司法試験受験者が少なくなって、役員もいなくなっていたんです。そこで、まず何人かの学生さんに役員になっていただきました。その上で、北法会の行事として、夜間法学教室という1年生向けの授業を始めたんです。そこは、早稲田の真似。その参加者の中から、20~30人選抜して、ゼミ形式で答案の書き方を教えた。そこは、主に中央大学の真似という感じです。」(p 6) (ほかの箇所から平成12年に夜間法学教室が始まったことがわかる。)
「そんなことはない。皆さんは結局早く受かる人間類型の人たちです。
僕ね、司法試験対策始める時に、司法試験予備校はどんなことをやっていたかを調べたんです。予備校はちゃんと最後まで付き合えば必ずいいことがあって、払ったお金は取り返せると思うんだけど、ほとんどの人は途中でやめちゃう。予備校の教材はよくできてるんだけど、小出しにして、一番重要なことを一度に教えないの。そうじゃなければ、早く受かる人は、途中で自分で勉強して、模擬試験以外は予備校には行かなくなる可能性もある。家庭教師やったことあるとすぐ分かるんだけど、よくできる生徒は、勉強の方法を教えちゃうと、あと教師がいらない。できない生徒は、いつも底を支え、上げるようにして教えないと成績が落ちちゃう。予備校は後者の教育をやってるんだよ。僕は、最初から必要なこと全部教えちゃおうと思ってました。
ここにいる3人は、まともな方で、最初教えれば、あとは邪魔しなきゃ受かる人たちですから。」(p 8)
「札幌近辺にいた他の大学出身の司法試験受験生を集めて北大で勉強するようにしてもらったんです。受験生の層が薄いから、北大の卒業生だけだとダメなんです。僕ね職場より職業が大事だと思ってるんで、どこの大学出身で受かっても、同じことなんです。札幌みたいに人数少ないところだと、絶対その方が北大の学生のためにもなる。」(p 8)
「なんと言っても法学で重要なのは文言だからね。北大の学生は、当時は、条文読まないんだよね。最初に来たとき、びっくりした。」(p 9)
「Aさんが3年生で受かったおかげで同じゼミの同輩が発奮して4年生の時に3人司法試験に受かったよ。」(p 10)
「みなさん優秀な方でしたけど。一人は初めて受けて論文の順位が1番でした。それはもうAさんが3年生で合格したことの威力なんです。Bさんに早く受かってほしかったっていうのは、そういう意味。」(p 10)
「それと、合格者が少ないと、多くの人の合格順位は低くなるけど、合格者が増えて層が厚くなると、だんだんと上位合格者も増えますね。」(p 10)
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『北大法学部同窓会報 第36号』(北海道大学法学部同窓会。2020年7月27日)
北海道大学の法学部同窓会報はインターネットで公開されている。
北海道大学大学院法学研究科教授(全国で法科大学院ができる予定のころの地位)の発言。
北大法学部が、早稲田大学・中央大学・日本大学のやり方を取り入れて、旧司法試験の合格実績を上げていったという文脈である。
Aさん, Bさんはそれぞれ実名の苗字が書かれていたが、ぼかした。
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